イタリア北部モデナ地方を現地徹底取材
本格的食文化案内紀行第1弾、伝統的バルサミコ酢。
イタリア北部モデナ地方でしか生産できない驚異の食酢・伝統的バルサミコ酢。
この食材の背景に連なる、古代ローマから中世を経て現代にまで至る長大な歴史、伝統、風土、製造法の裏側と、伝統的バルサミコ酢を作り続ける町と人々を紹介。
生産地であるイタリア北部モデナ地方を取材し、奇才・十文字美信が現地で撮り下ろした気品あふれるスタイリッシュな写真と名コピーライターの手によるリズミカルな文章で構成。
クラス感ある装丁は、料理本の枠にはおさまらない。
<目次>
第一章 葡萄汁とバルサミコ酢
第二章 モデナの風景
第三章 デ・ピエトリ家
第四章 クララさんの思い出話
第五章 ドゥカーレ宮殿にて
第六章 モデナ伝統的バルサミコ酢協会
第七章 モデナ伝統的バルサミコ酢保護組合
第八章 夜の講習会
第九章 葡萄祭
第十章 樽を作る人
第十一章 エリカさんの葡萄畑
第十二章 古い手紙
第十三章 螢の館、灯の館
第十四章 バルサミコ酢の明日
あとがき 小坂士朗
【本書より】
●「伝統的バルサミコ酢」とは・・
今回ご紹介する「伝統的バルサミコ酢」は、日本で一般的に出回っている「バルサミコ酢」や「ワインビネガー」とはまったく違うものです。ブーケのような芳醇な香り、均整の取れた味わいのある酸味とまろやかな甘さは、「伝統的バルサミコ酢」ならではの特徴です。
一般的な「バルサミコ酢」や「バルサミックビネガー」が数百円からでも購入できる普及品であるのに対し、「伝統的バルサミコ酢」は100mlで数万円とたいへんに高価です。もともとは商品としてではなく、貴族が自家用に使用するために生産されていました。
現在「伝統的バルサミコ酢」は、DOP(保護指定原産地表示)で保護され、正式名称は「Aceto Balsamico Tradizionale di Modena(アチェート・バルサミコ・トラディツィオナーレ・ディ・モデナ)」、略称で「ABTM」といいます。イタリア北部のモデナ、もしくはレッジョ・エミリアでしか生産することができません。
著/文化総合研究所
監修/小坂士朗 文/小野田隆雄 写真/十文字美信
248×248mm 上製本 272頁(図版114点)
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