写真家として国内外で高い評価を受ける坂田栄一郎が、７年の歳月をかけて撮りおろしてきたシリーズ「PIERCING THE SKY 天を射る」。本書は1995年刊行の『amaranth』（朝日新聞社）から実に９年ぶりの最新刊となります。デザインはアートディレクター・井上嗣也、寄稿文を小説家・丸山健二……注目の組みあわせです。

 人と自然が太古から交わしあってきた生命の息吹。互いが放つエネルギーにより刺激し、浄化しあってきた我々が共に暮らす地球は、環境破壊を続ける人間によって生物が生存していくための均衡を崩されつつあり、その崩壊をくい止めることができずにいます。しかし、そうした悲劇的な世界のなかで、写真家・坂田栄一郎は熱い思いを込め、カメラを構えます。一心不乱に生きている人々と、力強く、まばゆい存在感を放つ自然の姿を捉えるために。

デザイン／井上嗣也　寄稿文／丸山健二　
 
280×320mm　上製本　136頁（図版96点）

●被写体名
1  青木玉 Tama Aoki（随筆家） 
2  野口健 Ken Noguchi（アルピニスト） 
3  磯崎新 Arata Isozaki（建築家） 
4  エンツォ・クッキ Enzo Cucchi（画家） 
5  渡辺貞夫 Sadao Watanabe（ジャズミュージシャン） 
6  スベトラーナ・ルンキナ Svetlana Lunkina（バレリーナ） 
7  フィデル・カストロ・ルス Fidel Castro Ruz（キューバ共和国国家評議会議長） 
8  ゲルハルト・リヒター Gerhard Richter（画家） 
9  ヒクソン・グレイシー Rickson Gracie（格闘家） 
10  ダニエル・ビュレンヌ Daniel Buren（アーティスト） 
11  イブリー・ギトリス Ivry Gitlis（ヴァイオリニスト） 
12  ビクトル・エリセ Victor Erice（映画監督） 
13  ダライ・ラマ法王14世テンジン・ギャツォ
　　The 14th the Dalai Lama Tenzin Gyatso（宗教家）  
14  エヴゲニー・キーシン Evgeny Kissin（ピアニスト） 
15  橋岡一路 Kazumichi Hashioka（能面師） 
16  色川大吉 Daikichi Irokawa（歴史学者） 
17  吉田美和 Miwa Yoshida（シンガー）   
18  田中泯 Min Tanaka（舞踏家）  
19  石元泰博 Yasuhiro Ishimoto（写真家） 
20  室伏広治 Koji Murofushi（陸上選手）  
21  勅使川原三郎 Saburo Teshigawara（舞踏家） 
22  梁石日 Yan Sogiru（作家） 
23  徳山昌守 Masamori Tokuyama（ボクサー）   
24  ヨーガン・レール Jurgen Lehl（デザイナー）
25  阿部典史 Norifumi Abe（MotoGPライダー）
26  山下弘文 Hirofumi Yamashita（自然保護活動家）
27  イアン・ソープ Ian Thorpe（水泳選手） 
28  ミーシャ・マイスキー Mischa Maisky（チェロ奏者） 
29  アンドルー・ワイル Andrew Weil（医師）
30  マニュエル・ルグリ Manuel Legris（バレエダンサー）
31  ケント・ナガノ Kent Nagano（指揮者）
32  シャルル・デュトワ Charles Dutoit（指揮者） 
33  エマ・トンプソン Emma Thompson（女優）
34  トラン・アン・ユン Tran Anh Hung（映画監督）

◆坂田栄一郎 (さかたえいいちろう)
『アエラ』の表紙写真を撮影する肖像写真家として、広く一般にも知られる写真家・坂田栄一郎。
1988年の『アエラ』創刊から撮ってきた被写体は850人を超え、その他、CM、雑誌などを中心に活躍する。日本大学芸術学部写真学科を卒業後、渡米してリチャード・アヴェドンに師事し、一時帰国時に1970年にニコン・サロンで開催された初個展「Just Wait」で写真界にセンセーショナルを巻き起こした。
1993年にはアルル国際写真フェスティバルのメインゲストとしてリチャード・アヴェドンやセシル・ビートンらとともに招待され、アルル名誉市民賞を受賞。
これまでに写真集『注文のおおい写真館』（1985／流行通信社）『TALKING FACES』（1990／六耀社）『amaranth』（1995／朝日新聞社）を刊行している。