「生きる言葉シリーズ」第四弾!
太田光さん〈爆笑問題〉も絶賛!
いのちとは、死とは何か。
「生きることの意味」を問い続ける著者が、未来への不安、無力感、喪失感とたたかう21世紀の若者に、渾身の力で書き下ろした言葉集。
「死にたいって─、君のどこが言っているんだい。ここかい?」と。
私はとっさに、頭に手をやりました。
女の子はこくりとうなずきます。
「君が死ねば、手も足もぜんぶ死ぬんだよね。手に相談してみたかい?─」
きょとんとしています。
「手だけじゃない。足にも了解してもらわなくちゃ」
その子は、いっそう当惑して、ため息をつきました。
私はわが子の死を悲しんで、供養という念仏を考えたのでした。
それに対して、親鸞はたとえ父母兄弟のためであっても、供養のための念仏をしたことは一度もないと言い切り、さらにその言葉の根っこに一切の生き物のいのちの縁を上げていたのです。
著/高史明
四六判変型 簡易フランス装 224頁
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