クサナギシンペイ初の作品集!
階段を上がって出口を出れば、僕の生まれた町にも、
知らない誰かの住むどこかの街にも通じている。
(本文「どこでもない駅で」より一部抜粋)
見る者に静かに浸透してゆく独自の世界が人気のアーティスト、クサナギシンペイ初の作品集。
月刊誌『エクラ』(集英社)で 2007年より約5年連載された、宮本輝による小説『水のかたち』の挿画を中心に、今回のための描き下ろしも含め掲載。
小説の舞台が下町・清澄白河であること、季節感を出すことをヒントに、画家の内面に響く街の植栽や風景を描いた。
心象風景ともいえる「何処でもない何処か」としての光景や街の一隅……漂うような独特な絵画世界とエッセイによって綴る、日常の中で生まれては消える小さな物語に心打たれる。
多くの雑誌や文芸書への挿絵・装画を手がけ、物語を感じる作風で読者や作家からの信頼が高い。
<挿絵・装画例>
『八日目の蝉』(角田光代)
『パレード』(吉田修一)
『哀しみの星』(新堂冬樹)、
『茗荷谷の猫』(木内昇)他多数
絵・文/クサナギシンペイ
装幀/佐々木暁
A5判 上製本 176頁(カラー図版61点)
◆クサナギシンペイ(くさなぎしんぺい)
1973年東京都生まれ。
画家。
国内外で作品を制作、発表の傍ら、数多くの書籍の装丁に絵を提供。
担当した主な装丁に「一瞬の風になれ」佐藤多佳子著(講談社)、「茗荷谷の猫」木内昇著(平凡社)、「八日目の蝉」角田光代著(中央公論新社)、「ザ・ロード」コーマック・マッカーシー(早川書房)、「洪水」ル・クレジオ(河出書房新社)など。
02年玄光社「チョイス」年度賞大賞受賞。
TIS会員。
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