「壊すことが創造を生みだす」
美術作家岩崎貴宏の初作品集!
岩崎貴宏は、タオルや歯ブラシなど身の回りの日用品を用いて、鉄塔やクレーンなどの巨大な構造物をミニチュアサイズで制作する「アウト・オブ・ディスオーダー」シリーズや、歴史的構造物の実像と水面に映る鏡像を融合させた立体作品「リフレクション・モデル」シリーズを発表してきたアーティスト。
本書は、福井県の金津創作の森美術館で開催(2024年9月28日〜2025年12月15日)の岩崎貴宏展で発表された新作を含め、過去の代表作も網羅した初の作品集。
岩崎は地域を題材とした作品を多く制作しており、本書に収録される新作も、福井県内の風土や歴史のリサーチを重ね、空間や場所のコンテクストを踏まえた作品で、福井から着想を得た大規模なインスタレーション。そのスケール感が伝わる展示風景写真で構成された頁と、過去の作品を紹介する頁という2部構成で、現在と過去という座標軸から岩崎貴宏という現代アーティストを知ることができる内容。
本書のタイトルにある「もし、アップルパイを最初からつくろうと思うなら、君はまず宇宙を作らなきゃ」は天文学者カール・セーガンの言葉で、身近なものからこの世界の成り立ちを見つめることで壮大な宇宙の旅へと私たちを誘う。この言葉は、身の回りにあるものを素材にして思いもよらないひとつの宇宙を生み出す岩崎を象徴するかのよう。固定化された私たちのあらゆる感覚を刺激し、揺さぶり、呼び起こす岩崎貴宏のコスモワールドに触れられる作品集。
●日英併記
著/岩崎貴宏
A4判変型 並製本 80頁(図版56点)
【展覧会情報】
「岩崎貴宏 もし、アップルパイを最初からつくろうと思うなら、君はまず宇宙を作らなきゃ」
会場:金津創作の森美術館 ≫
会期:2024年9月28日(土)〜2024年12月15日(日)
※本書は本展の公式図録兼書籍です。
◆岩崎貴宏(いわさきたかひろ)
美術作家/広島市立大学芸術学部准教授
1975年広島県生まれ、広島県在住。
タオルや歯ブラシなど私たちの身の回りにあるものを素材に、その土地の日常の風景と接続する繊細で小さな見立ての世界をつくりだす。
国内外の美術館や芸術祭にて数多くの作品を発表。
2017年にはヴェネチア・ビエンナーレの日本館代表として個展「逆さにすれば、森」を開催。
2018年芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。
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