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フジタ−色彩への旅 (展覧会公式カタログ)


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フジタ−色彩への旅 (展覧会公式カタログ)
2021年5月
定価 : 3,000 円 (本体 : 2,727 円)
ISBN 978-4-7630-2109-0 C0071
数量 


旅先こそがレオナール・フジタ[藤田嗣治]のアトリエ ―
パリを離れ、中南北米、中国大陸や東南アジア、ニューヨークへ。
フジタの旅路と色彩に焦点をあて、その画業と生涯をたどる画集。


土地の風景や人物、異国の歴史や風俗を求めて
1920年代「乳白色の肌」を完成、パリ画壇の寵児となるフジタ。その後パリを離れ、長い旅路のなかで、あらたなモティーフや群像表現のための構図、豊かな色彩による表現手法を開拓する。
その変遷が図版とテキストにより詳細にわかる内容となっている。箱根ポーラ美術館で開催する展覧会公式図録兼書籍。

1. 世界を旅した画家フジタの色あさやかな作品群
フジタといえば「パリ」や「乳白色の肌」、「猫」などを連想するが、実は1930年頃から世界中を旅し、旅先をアトリエとして色彩豊かな作品を数多く描いた。とりわけ1930年代前半から中頃までの中南米や日本国内、中国への旅では、その土地の歴史や風俗、民具、建築などへの関心を高め、現地でのスケッチや旅先で撮影した写真、自ら収集した民俗資料などを画面に取り込むことによってオリジナリティーに溢れる絵画を制作。世界を旅したフジタの色あざやかな作品を多数掲載。

2. ポーラ美術館新収蔵の「乳白色の肌」の手法による作品収録
ポーラ美術館は「乳白色の肌」の手法による2点の油彩画(《坐る女》、《イヴォンヌ・ド・ブレモン・ダルスの肖像》)を新たに収蔵。特に、1921年制作の《坐る女》は「乳白色の肌」の技法を編み出して間もない頃の肖像画であり、滑らかな絵肌と墨による繊細な輪郭線、柔らかなぼかしによって素朴な雰囲気の漂う作品であり、1922年のサロン・デ・ザンデパンダン展に出品された可能性の高い、フジタの初期の代表的な作品の1点。

3. 連作「小さな職人たち」多数掲載
連作「小さな職人たち」は、フジタが戦後パリで暮らしたアパルトマンの壁を飾るために制作した色彩豊かな壁画である。15センチメートル四方の各パネルには、かわいらしい子どもたちが、古き良きパリの職業人たちに扮する主題などが油彩で描かれている。フジタは手仕事に打ち込む名もなき職人(アルティザン)たちの姿に自らを重ねていた。本書ではその多数を掲載。

4.フジタが旅先で集めた旅の品々、撮影した写真
フジタは訪れた国々の歴史や風俗、生活用具、家屋などに関心を寄せ、仮面や土偶、玩具などを買い集めた。また、現地の人々の営みに興味を抱き、しばしばそれらをファインダー越しにとらえた。本書ではフジタが収集した品々のほか、1930-1940年代に中南米~日本を中心に撮影された写真を厳選して紹介。

●一部日英併記

<目次>
「色彩への旅、そして儚き南方への夢」内呂博之
カタログ
第1章 パリとの出あい ―「素晴らしき乳白色」の誕生
第2章 中南米への旅―色彩との邂逅
「フジタ―国境なき芸術家」アン・ル・ディベルデル
第3章 アジアの旅行記―色彩による大画面の絵画
「フジタのまなざし―中南米の旅を中心に」佐々木佳苗
第4章 心の旅ゆき―色彩からの啓示
「フジタ―「色彩」と「質感」の旅」三木学
「フジタの壁画と「クロワジエール」」今井敬子
・Summary
・関連年表
・フジタ関連地図
・作品リスト
・主要参考文献

企画/ポーラ美術館

B5変型 上製本 224頁(図版220点)

【展覧会情報】
「フジタ−色彩への旅」
会場:ポーラ美術館 ≫
会期:2021年4月17日(土)〜2021年9月5日(日)
※本書は本展の公式図録兼書籍です。
©Fondation Foujita / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2021 B0526

◆藤田嗣治(ふじたつぐはる)
1886年(明治19)、現在の東京都新宿区新小川町の陸軍軍医の家に生まれたフジタは、父の上司だった森鷗外の勧めもあり東京美術学校西洋画科に入学。当時主流であった明るい外光派風の洋画にあきたらず、1913年、26歳の時にフランスにわたる。
パリのモンパルナスに住んだフジタは、ピカソやヴァン・ドンゲン、モディリアーニらエコール・ド・パリの画家たちと交流した。彼らに刺激され、独自のスタイルを追究するなかで、日本や東洋の絵画の支持体である紙や絹の優美な質感を、油絵で再現しようと思いつく。手製のなめらかなカンヴァスの上に、面相筆と墨で細い輪郭線を引き、繊細な陰影を施した裸婦像は、「素晴らしい白い下地(grand fond blanc)」「乳白色の肌」と呼ばれ絶賛された。
1919年にはサロン・ドートンヌに出品した6点の油絵がすべて入選し、ただちに会員に推挙されるなど、フジタの作品はパリで大人気となった。
1929年、凱旋帰国展のため16年ぶりに一時帰国。1933年以降は日本を活動の拠点とする。日中戦争がはじまると、祖国への貢献を願い大画面の戦争画の制作に没頭するが、戦後は画壇から戦争協力者として批判を浴び、その責任をとる形で日本を離れる。
再びパリに暮らし始め、日本には戻らないと決めたフジタは、1955年にフランス国籍を取得。
1959年、72歳の時にランスの大聖堂でカトリックの洗礼を受け、レオナールという洗礼名を与えられる。最晩年には、ランスに感謝を示したいと礼拝堂「シャぺル・ノートル=ダム・ド・ラ・ペ(通称シャペル・フジタ)」の建設を志し、完成から2年後に没した。













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