ロダンのモデルになった唯一の日本人、女優マダム・ハナコとは誰なのか?
巨匠ロダンを魅了しモデルになった唯一の日本人、それは明治時代の末、日本から遠く離れたヨーロッパで熱狂的な人気を博した女優マダム・ハナコだった。
花子探索の道にはまった二人の研究者澤田助太郎と資延勲の成果をもとに、花子の波乱の人生をまとめたノンフィクション。
明治時代の末、恋にやぶれてヨーロッパに旅立ったひとりの女性がいた。
女優となった彼女は、一座を率いてヨーロッパ・ロシアを巡業し、一大センセーションを巻き起こした。
明治35年から大正10年に帰国するまでの約20年間、「マダム・ハナコ(花子)」という芸名で人気を博した。切腹するシーンを演じる花子は、身長136cmの小さな体にもかかわらず、舞台上での存在感は圧倒的で、彫刻家ロダンの目にとまり、彼女をモデルにした彫刻を何点も残している。
本書は、花子探索の道にはまった二人の研究者澤田助太郎氏と資延勲氏の成果をもとに、ロダンを魅了した花子の波乱の人生をまとめたノンフィクションである。
<目次>
プロローグ
第一章 花子探索の旅
第二章 花子の生い立ち
第三章 花子ヨーロッパへ
第四章 ロダンと花子
第五章 世界大戦争
終章 料亭「湖月」のマダム
著/大野芳
四六判 上製本 288頁(図版約20点)
◆大野芳(おおのかおる)
1941年愛知県生まれ。
ノンフィクション作家。
『北針』で第1回潮賞ノンフィクション部門特別賞受賞。
主な著書に『近衛秀麿――日本のオーケストラをつくった男』(講談社)、『絶海密室』『瀕死の白鳥――亡命者エリアナ・パブロバの生涯』『伊藤博文暗殺事件――闇に葬られた真犯人』(以上、新潮社)、『天皇の暗号――明治維新の140年の玉手箱』(学研パブリッシング)、『8月17日、ソ連軍上陸す――最果ての要衝・占守島攻防記』『「宗谷」の昭和史――南極観測船になった海軍特務艦』(以上、新潮文庫)、『死にざまに見る昭和史――八人の凛然たる〈最期〉』(平凡社新書)、『吉田兼好とは誰だったのか――徒然草の謎』(幻冬舎新書)など。
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