いけばなは、花との本気のやりとり。 いけるとは、手に取った花との出会いを いかに深く楽しむかに尽きる。
大和花道いけばなの家元・下田尚利の作品集と論集を一冊にした2部構成の集大成。下田は、大和花道の「いけるという行為は、いま私が手に把ったこの花との一期一会の出合いを、いかに深く楽しむかということに盡きる。いけあがった結果を他者に伝えることも大切だが、それ以上に、いける過程で、どれだけ自由に、大胆に、緊張に満ちた花とのやりとりを押し進めていけるか。」という流派の根本理念を家元として受け継ぎつつも、表現者として時代時代で「いま」のいけばなを追求しつづけてきた。後半の昭和・平成を俯瞰する論集はいけばな史の貴重な資料となっている。本書は、ひとりの作家の作品集であると同時に、いけばな史の渦中で花を追求してきた表現者の軌跡である。
<目次> いけばな作品集 ・花木/花たち/平面/葉/実/野菜・果物/団体展/イベント/1950年代 対談 下田尚利×三頭谷鷹史 いけばな論集 いけばな年表 ・昭和・平成いけばな史+下田尚利年譜 作品目録
著/下田尚利
A4変型、上製本 ケース入り 216頁(カラー図版96点、モノクロ図版15点)
◆下田尚利(しもだたかとし) 1929年、大和花道初代家元下田天映の長男として東京に生まれる。 早稲田大学第一文学部芸術学科美術史専攻卒業。 「新世代集団」「集団オブジェ」同人、「いけばな批評」編集同人。 広告制作会社プリビジョン設立。 昭和59年大和花道家元継承。 歴史、美術の観点からいけばなを考察した執筆も多く、いけばな作品は、伝統的ないけばな界に常に新鮮な影響を与えている。 現在、いけばな協会常任理事、Fの会同人として活躍中。
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